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Vol.1
 

景気回復とともに順調な拡大を示す中古住宅市場

住宅市場をみるうえでの指標は、国土交通省「住宅着工統計」や株式会社不動産経済研究所「マンション市場動向」が一般的で、新聞やニュース報道でもよく取り上げられています。これら指標はいずれも新築のマンションや戸建に関するもので、GDPの項目に含まれる住宅投資の動向をみるには適したものですが、住宅取引全体となると、土地取引を含む中古住宅の指標も忘れてはいけません。そこで、これら中古住宅の取引動向を、不動産流通機構の市況データを使ってみてまいりたいと思います。

初回はオーソドックスに中古住宅市場とマクロ経済の動きを関連付けてお話してみたいと思います。東日本不動産流通機構「News Letter」によりますと、首都圏での中古住宅取引量をあらわす成約件数は、15年度・前年の同じ期に比べて4-6月期+5.1%、7-9月期+6.0%、10-12月期+0.8%、1-3月期+5.2%と堅調な伸びを示しました(下図表)。日本経済は、世界経済復調による輸出拡大を牽引役に、昨年から本格的な回復基調に転じ、長かった景気低迷のトンネルをようやく抜け出しました。株価は昨年4月につけた日経平均7,603.76円を底に反転、人々の景況感も改善に向かったことから、住宅購入意欲が高まったといえるでしょう。一方、直近16年度4-6月期に目を移しますと、成約件数は前年の同じ期に比べて▲0.3%とマイナスに転じました。9月10日に内閣府から発表された『4-6月期GDP・2次速報』では、実質GDP成長率が前期(1-3月期)比・年率+1.3%(原数値による前年同期比は+4.2%)と、その前の期の1-3月期+6.4%(同+5.9%)に対して急ブレーキを踏んだ格好となっています。株価は5月のGW明けに急落する動きを示し、改善し続けていた景況感は期を通じて弱含みで推移しました。こうしたマクロ環境を背景に、住宅購入意欲もトーンダウンしたと説明することができます。

図表:仲介件数とGDP成長率


このように、中古住宅成約件数は景気全体の波と似たような動きになる傾向があります。景気に先行する住宅着工や新築マンションの各指標とは質を異にする点は非常に興味深いのですが、この件につきましては別の機会に説明したいと考えております。さて、7月以降は、猛暑とオリンピック効果で人々の購買意欲が刺激され、夏物商品やデジタル家電が個人消費を引っ張っています。企業部門も堅調で、減速懸念のあった米中経済は再浮上するとの見方が台頭しつつあります。また、市場金利は一時的に低下を示しましたが、これを受けて住宅金融公庫の基準金利は9月に入ってから7ヵ月ぶりの引き下げが実施されるなど、逆に住宅購入検討者には追い風が吹いています。このようなことから、現時点では住宅購入意欲は再燃していると考えられ、直近7・8月の中古住宅成約件数は、2ヵ月累計で前年の同じ期に比べて+2.8%と堅調な伸びを示しました。さらにもっと先をみると、日本経済は本格的な回復途上にあるとされ、良質な住宅ストックの積上げも支えとなって、今後も中古住宅取引は増え続けていくといえるでしょう。



 
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※このデータは2004年10月01日現在のものです。 [本コンテンツの内容について] [住友不動産販売TOPへ]