中古住宅流通業界には「減税」メリット-来年度税制改正『不動産の情報』
■国民にとっては実質増税、今後の景気への影響が気がかり
15日、来年度の税制改正の大枠(「平成17年度税制改正大綱」)が決定しました。以下の内容は、あくまでも今後の国会決議を踏まえた上で具体的に決まるものなのですが、現時点で公表されたものからは、これまでの所得税と個人住民税の定率減税を半分に圧縮し、実質増税になることがその主な内容となっています。バブル崩壊後に膨らんだ財政赤字を抑え、少子・高齢化の進展に対応などを図ることを目的に、政府・与党は「増税路線」へと舵を切り始めたといえそうですが、すでに決定済みの社会保険料引き上げなどを合わせますと、来年度と再来年度の2年間で総額約3兆2,000億円もの負担が家計にのしかかることになり、私たち国民の生活にはマイナスの影響を与えかねず、今後の景気動向が気がかりです。
■減税項目として取り上げられた「中古住宅へのローン控除拡大」
一方、減税項目として「中古住宅へのローン控除拡大」が取り上げられました。住宅ローンを組んで中古住宅を購入する際、従来までは、その住宅がマンションなどの耐火住宅の場合は築後25年、木造の戸建など非耐火住宅の場合は築後20年以内の物件に限り住宅ローン控除が適用されました。これが、来年(平成17年)4月1日からは、それを超える築年数の物件であっても、新しい耐震基準(昭和56年施行)を満たせば住宅ローン控除を受けることができるというものです(なお、耐火住宅は築後25年超、非耐火住宅は築後20年超の場合、建築士の耐震証明等が必要になります)。これは、これから中古住宅を売買しようと検討されているお客様や私ども流通業者にとりまして、非常に大きな意味があると思われます。
| 図表:住宅ローン減税(住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除)について |
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■お客様は購入時だけでなく売却の際にもメリット、流通業界にとっても中古住宅政策の後押しが感じられ意義深い
購入をご検討のお客様にとりましては、住宅ローンを組んで中古住宅を購入される場合、ローン控除適用の対象物件が拡がりますので、従来の制度では適用されなかったお客様がその恩恵を受ける場合が出てまいります。また、お客様がローン控除を受けようと、築年数を気にしながら物件をお選びになるといった必要がなくなります。さらに、現在住宅をお持ちでいらっしゃるお客様にとりましては、新しい耐震基準を満たしていれば、築年数にとらわれることなく売却の計画をお立てになることができるようになります。
これは、これまでには、良質な中古住宅であっても従来の制度に基づいた減税の適用年数を超えると資産価値が下がってしまうケースがあったのですが、築年数要件が撤廃される新しい制度からはこうした心配が必要なくなるためです。購入をご検討のお客様で将来の売却をお考えになる場合も同様、最初からこうした懸念はなくなる、つまり、これが中古住宅を購入する際の大きなメリットとなることから、今後、徐々に中古住宅の購入を検討されるお客様が増えていくことにつながるのではないでしょうか。私ども流通業者にとりましても、中古住宅市場の活性化は大きなメリットであり、今後は新しい耐震基準を満たした新築住宅が、良質な住宅ストックとして積み上がるので、将来に向けてそのメリットはより拡大するものと思われます。さらにもう一つ、今回の税制改正が総じて増税の方針であったにもかかわらず、数少ない減税項目として取り上げられたことは、わが国の住宅政策が中古住宅の流通促進へと転換したことを念押ししたという大変意義深い内容を包含している点も申し添えておきたいと思います。
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