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Vol.9
 
10-12月期GDP速報-マクロ経済の見通し

■16日に政府から10-12月期GDPが発表
16日、政府(内閣府)から、国内総生産・GDPの10-12月期の動向(第1次速報)が発表されました。Vol.1でお話ししましたように、中古住宅の取引は景気の動きにいくらか影響を受けますので、取引量をあらわす成約件数の動向は、マクロ経済の動きを総括的に捉えるGDP成長率に連動することが確認できます(図表1)。筆者におきましては、中古住宅の取引データが示す要因や背景などをマクロ経済の動きから読み取ったり、将来の中古住宅取引量をGDPを予測することから推測するなど、中古住宅市場をみるうえでGDPデータの分析は欠かせない作業となっています。そこでVol.9では、今回発表となりましたGDP速報につきまして、筆者なりに分析した結果をご報告させていただきたいと存じます。

(実質成長率は前期比3・四半期連続でマイナスとなったが、踏み止まっていることや悪くはない内容をポジティブ評価) (H16年)10-12月期・実質GDP成長率は、前期(7-9月期)比・年率換算▲0.5%とマイナス成長になりました。また、遡及改定が行われた結果、4-6月期以降3・四半期連続でマイナスを示し、今年度に入ってから景気が減速傾向であったことを改めて裏付けた結果となりました。しかしながら、見方を変えれば、減速とはいえ落ち込まずに踏み止まった動きであること、名目GDPは同+0.1%とプラスに転じたことなど、ポジティブに評価することもできます。10-12月期・実質GDPを需要項目別にみてみますと、輸入の伸びが輸出を上回ったことによる外需と、暖冬や自然災害などの影響による個人消費がマイナスに寄与しましたが、堅調な設備投資がプラスに寄与し、全体を下支えしました。以上から、数字面では足踏みが続く結果となりましたが、内容はそれほど悪くなく、むしろ1-3月期以降の再浮揚に向けて足場を固めているようにも窺えます。

(名目成長率は4-6月期をボトムに回復基調) 名目ベースのプラスは、台風による生鮮食料品の高騰や原油高などによる一時的な嵩上げ要因が考えられます。これにより、GDPデフレータは急な縮小を示し、続く1-3月期はGDPデフレータが再び拡大する可能性がありますが、中長期的にはデフレ終息に向けて着実にゼロに近づいていると捉えています。なお、名目ベースにつきましては、実質よりも一足早い(16年度)4-6月期をボトムに回復基調にあることを素直にプラス評価したいと思っています。

(雇用者報酬が6・四半期ぶりに増加、今後の消費につながる期待) もう一つ注目すべき点は、同時に発表された雇用者報酬が6・四半期ぶりに増加に転じたことです。つまり、冬のボーナスを含めた個人所得は増加を示したわけで、所得に消費の動きがともなうとすれば、10-12月期・実質GDPの個人消費のマイナスは、前述した暖冬や自然災害による一時的・臨時的な要因と説明がつきそうです。すでに、1月は百貨店などの初売り商戦の好調が伝えられていますし、今後の消費持ち直しにつながるという意味で、大いに注目、期待できるのではないでしょうか。

■今後の見通しについて
(生産や設備投資に回復の兆し、個人の景況感は1月に改善を示す、など明るい材料が控える) 次期(1-3月期)以降の見通しにつきましては、企業部門におきましては、生産や設備投資が回復に向かうとの兆しが見え隠れしています。12月・鉱工業生産動向(出所:経済産業省)では、調整局面にあったIT関連部品(「電子部品・デバイス工業」)が、生産指数はマイナスだったものの(前月比▲1.9%)、出荷指数・同+1.2%、在庫指数・同▲3.4%と、改善の動きがみられました。米国クリスマス商戦や国内の年末商戦は好調に終わり、中国など東アジアの春節商戦などを背景に、現在も出荷は見込みを上回って推移していると思われます。
さらに、12月・機械受注統計(出所:内閣府)では、同時に発表された内閣府による1-3月期(H17・16年度第4Q)見通しが大いに注目されました。前期(10-12月期・3Q)比+9.9%と大幅増を見込んでおり、最近勢いが衰えたとのマーケットによる判断は、中長期的には増勢基調は崩れていないとポジティブに戻った可能性があります。また、個人部門におきましては、悪化が続いていました『景気ウォッチャー(1月分、出所:内閣府)』による景況感(DI)が6ヵ月ぶりに改善を示すなど、明るい材料が控えています。

(一方、外需の減速が足を引っ張るとの意見も) 一方、景気はこのまま後退に向かう(弱気派)と予測するマーケット関係者も大勢います。彼らによると、外需面で影響の大きい米中経済の行方を危惧しています。現在、米中ともに過熱する景気を政策で引き締めており、米国はこのまま減速に向かう、中国は過熱抑制を強めて成長率が落ちると考えているようです。筆者といたしましては、米国経済は一部の個人消費や住宅投資に過熱感があるものの、FRBの巧みなコントロールで乗り切っていくこと、中国経済は昨年を通じてみられたように、景気の勢いが非常に強いため、引き締めの力だけで景気そのものが冷え込む心配はなさそうで、いくらか成長率が落ちたとしても高成長持続には変わらないとの見解を持っております。さらにこれらに加えて、BRICs諸国の台頭などもあり、外需は堅調に推移していくと予想しております。

(景気の底打ち・緩やかな回復シナリオに沿って、中古住宅成約件数も伸びを示す見込み) 以上のことから、H16年4月以降足踏み状態が続いたわが国経済は、当10-12月期で減速局面が終了、再び緩やかな回復軌道を描いていくと考えます。また、17年度の実質GDP成長率は、16年度1.6%に対して1.2%と、米中経済の若干の減速などを理由に、やや鈍化することを見込んでいます。もっともこれら外需による調整は上期までに一巡し、その後は足腰の強くなった企業部門に牽引される形で、回復に向けた動きが強まるのではないでしょうか。こうした動きに沿って、中古住宅の取引量も徐々に膨らんでいくと考えております。ご参考ください。

図表1:実質GDP成長率・四半期ベース(前期比、棒グラフは項目別寄与度)


図表2:GDPと中古住宅成約件数(前年同期比)



 
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※このデータは2005年02月24日現在のものです。 [本コンテンツの内容について] [住友不動産販売TOPへ]

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