地方では、札幌や福岡などの大都市で上昇地点が増加し、大阪圏や名古屋圏に加えて下げ止まり感がより一層強まる内容となりました。また、大都市以外では、これまでにはみられなかった上昇地点がピンポイントで出現しました。つくばエクスプレス(TX)沿線の茨城県守谷市の住宅地、昨年3月の九州新幹線一部開業と9月の新駅ビル「アミュプラザ」開業で、鹿児島中央駅周辺の商業地(鹿児島市)など、宅地整備や大型商業施設の開発効果が地価の引き上げにつながりました。さらに、40歳代を中心とした首都圏で働くビジネスマンなどの関心を集める旧軽井沢の別荘地(長野県・住宅地)でも上昇地点が出ました。地価の底入れ・上昇が東京都心から郊外へ波及したように、今後は大都市から地方へと広がる動きが期待できるのだと思われます。
■一方、地価動向の二極化にも留意
一方では、人口がほかへと流出するなどの問題を抱えたままの地方都市のなかには、なお下落幅が拡大したところもあります。中心地にあった百貨店やホテルなどの商業施設が撤退、成長する産業や企業が見当たらないエリアの地価動向は総じて厳しい状況を強いられました。三大都市圏でも、郊外エリアで駅から離れた住宅地や、大通りからひとつ入った狭い市道沿いなどで大きなビルが建てられない商業地では、地価の下落が止まらない地点が多数ありました。すなわち、地価動向も"二極化"の様相が強まっており、利用価値や将来性次第で評価が大きく異なる点に留意する必要があるといえましょう。