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vol.30
 
年代(年齢層)別でみた世帯構成の変化-少子高齢化による今後の住宅市場②



■昨年、わが国は人口減社会に突入
昨年12月27日に閣議で報告された『2005年国勢調査』の人口速報値で(10月1日時点)、わが国の総人口が昨年より約2万人減少していたことが判りました(昨年データは総務省による推計人口)。Vol.28「人口・世帯数の減少と世帯構成の変化-少子高齢化による今後の住宅市場①」では、今年をピークに来年減少に転じるという政府見通しをお示ししましたが、その予想よりも早く人口減社会に突入したことになりました。一方、世帯数は5年前の国勢調査に比べて247万世帯増加しました。年間40~50万世帯の増加ですが、今後このペースは2015年に向けて鈍化、その頃を境に世帯数も減少に転じることが予想されています。


■世帯人員の減少と高齢者世帯の増加により、コンパクトな広さのマンションニーズが高まっているのだが・・・ さて、住宅業界からみると、人口・世帯数の減少は新たな住宅供給のボリューム減につながる問題ではありますが、1世帯当り人数(世帯人員)の減少や家族構成の変化に着目すると、住替えが促され、中古住宅流通量が増加する可能性がある点に留意する必要がありそうです。家族構成について、Vol.28では、「夫婦のみ」「単独(一人暮らし)」世帯が拡大し、「夫婦と子(いわゆるファミリー)」世帯の割合が急速に縮小することを示しましたが、当稿では世帯主を年齢層別に分けてみることにします(図表1)。明らかに、70代以上の高齢者が世帯主となる世帯数が一貫して増加し、今後もしばらくこの傾向が続くことがみてとれます。Vol.28による結果と照らし合わせると、高齢者世帯のなかでも、子供が独立した夫婦のみや一人暮らしの、家族人員が2人か1人となる世帯が増える傾向にあるのだと推察することができます。これら高齢者世帯の増加を背景に、広くて間取りが多い戸建から、よりコンパクトな広さと間取りを備えた便利でセキュリティのしっかりしたマンションへと、トレンドがシフトしているのだと考えられます。

図表1:世帯主の年齢層別世帯数構成比

■一方、持家を所有しない若年ファミリー世帯は、狭い借家住まいを余儀なくされている
図表2は、住宅・土地統計調査のデータを用い、持家世帯がどの程度の広さの住宅を多く所有しているかをみたものです。5年前に比べると、(150㎡以上を含む)100㎡以上の広い面積の住宅の割合が、全国計で1.7ポイント増えていますが、世帯主が65歳以上の世帯に絞ると3.8ポイントと増え方がより大きくなっています。子供が独立して夫婦のみもしくは一人暮らしになった高齢者が増え、これら高齢者がコンパクトな広さのマンションへ住替えたいと考える機会が増えているのに対し、実態は子育て期に建てた広い家に住み続けざるを得ない状況下にあることが推察できます。一方、持家の場合の住宅の平均面積は123.9㎡ですが、借家では46.3㎡と極端に狭くなります(図表3)。子供が誕生あるいは成長によってより広い住宅を求めるファミリーが多い30、40歳代の持家率は38%、66%であることから、差引30歳代の62%、40歳代の34%が狭い借家住まいを余儀なくされている可能性があることが推察できます。以上から、"広い住宅を所有する高齢者世帯"と"借家住まいの若年ファミリー世帯"による「ミスマッチ」が内在していることが指摘できます。

図表2:持家の占有面積別構成比         図表3:住宅の平均面積

■流通市場を通じた新たなスキームでミスマッチを解消
こうしたミスマッチは、ライフスタイルの変化に合わせて住宅を住替えることができれば解決できます。米国では、親元からの独立や結婚を機に持家を取得し、子供の誕生や成長などの家族構成の変化に応じて住替える(買替える)ケースが一般的で、その結果、中古住宅流通量はわが国の10倍以上にものぼります(わが国の中古住宅流通量は筆者独自の推定値)。持家層にメリットをもたらす税制や、買替えを重ねても税負担が重くならないような仕組みは、持家の取得や買替えを容易にする要因にもなっています。米国におけるこれら制度がわが国にも導入されるに越したことはありませんが、ほかでは、中古住宅流通市場を通じ、賃貸の機能を組み合わせたり、「リバース・モーゲージ」を採用するといった手法が理論上有効かと思われます。追って、次回にこれら手法を紹介したいと存じます。


 
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※このデータは2006年01月13日現在のものです。 [本コンテンツの内容について] [住友不動産販売TOPへ]

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