■東京都では新築マンション供給の減退が、中古マンション価格の上昇に寄与した可能性
本格的な景気回復基調を追い風に、最近の住宅市場では、多少価格が高くても質の良い物件を購入したいとの動きが多くみられます。特に、DINKSやシルバー層は、利便性が高く、都心に近い立地のマンションを選ぶ傾向を強めています。図表3からは、14年度(15年)1-3月期を境に、新築の供給戸数、中古の成約件数ともに、都心部により近い東京都の割合(首都圏全体に占める)が上昇を始めたことがみてとれます。ところが、デベロッパーが東京都区部にてマンション用地を仕入れ難くなり、16年度(17年)1-3月期以降は、新築マンション供給における東京都の割合が低下へと向かいました。一方、住宅購入需要の都心回帰は現在も続いており、もう少しミクロ的にみますと、新築マンション供給がなくなったエリアでは良質な中古マンションに対する需給がタイトになり、これら中古マンション価格が強含むケースが出始めているのです。上図表2による東京都の中古マンション価格の前年同月比推移が、16年度(17年)1-3月期を境に安定的な上昇率を示し始めたことは、こうした動きとリンクしている可能性があります。したがいまして、新築マンション供給が今後も東京都では他の3県に比べてそれほど増えない見通しであることから、東京都の中古マンション価格は相対的に高い上昇率を示し、首都圏全体の動きを上方に引っ張っていくと考えることができます。
図表3:中古マンション成約件数と新築マンション供給戸数の東京都が占める 割合(対首都圏全体) |
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