改正建築基準法の施行に伴う新設住宅着工戸数の減少
改正建築基準法の施行に伴う新設住宅着工戸数の減少
確認審査などが厳格化され、建築確認業務が停滞
本コラムの7月号でも取り上げましたが、改正建築基準法が6月20日に施行されました。より安全で、信頼性の高い建築物を供給するため、建築確認手続きが厳格化されたわけですが、添付資料の増大や完成度の高い設計図書が必要になるなど、申請手続きの現場では混乱が続いています。
1.建築確認の停滞による住宅着工戸数の減少
国土交通省が発表した10月の新設住宅着工戸数は、前年同月比35.0%減の76,920戸でした。改正建築基準法の施行に伴う、建築確認業務の停滞が影響していると考えられ、7月から4ヶ月連続で二桁減と、大きく減少しています。年率換算では約85万戸(平成18年実績、129万戸)と一時期より改善されましたが、大型建築物を中心に依然低迷が続いています。
建築確認申請の二重チェックや大量の書類の提出が義務付けられ、審査期間が長期化し、着工が遅れる物件が増加しているようです。中でも分譲住宅の落ち込みが目立ち、特にマンションは同71.1%と激減しています。20m以上の建物は二重チェックが必要となり、マンションは二重チェックの対象となったことが影響しているようです。
住宅着工の大幅な減少が続くことに対して、建設や建材といった関連産業や、住宅購入に伴い買い替え需要が発生する家具や家電、自動車などの消費への影響も懸念されています。

2.建築確認件数の減少
国土交通省が発表した4月からの建築確認件数状況によると、改正建築基準法施行後の9月までの申請件数は、全体の前年同月比で2割~4割減少しましたが、10月は減少幅が縮小しています 
内訳も、9月までは一定規模以上の1~3号建築物が大きく減少し、小規模建築の4号建築物も二桁の減少となっていましたが、10月は全体的に増加傾向にあります 
住宅着工戸数の先行指標となる10月の建築確認終了件数が△11.1減と、前月の減少幅より16.4%改善されており、国土交通省では、「改正建築基準法の影響は弱まりつつある」と見ています
1号建築物…100㎡を超える特殊建築物
2号建築物…木造で3階以上または500㎡、高さ13mもしくは軒高9mを超える建築物
3号建築物…木造以外で2階以上または200㎡を超える建築物
4号建築物…1~3号以外の建築物(小規模な木造建築物)

3.建築確認の一部を改善
全国的に確認審査が滞り、新築住宅の着工戸数などに影響が出ている問題を受け、国土交通省は、改正建築基準法の円滑な運用を図るため、「建築基準法施行規則の一部改正」を11月14日公布し、同日付けで施行しました。
また国土交通省では、建築確認申請や確認件数が落ち込んでいる地域での、個別対応によるきめ細かいアドバイスの実施や、設計者・施工者・デベロッパーなどの実務者向けに、新しい建築確認手続きの要点をわかりやすくまとめたリーフレットを配布するなど、確認審査がスムーズに運ぶ環境作り、住宅着工の回復へ向けた対応に取り組んでいます。
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