自分らしいマンション探し
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コラムニスト プロフィール
   
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大久保恭子氏
1977年 日本女子大学卒業
1987年 週刊住宅情報編集長
2005年 株式会社 風 社長就任

住宅宅地審議会 住宅部会委員(国土交通省)他
公職を多数歴任
週刊住宅情報の編集に長年携わった経験を活かし、
住宅のマーケティング・商品企画など幅広く活動している。
女性の視点からの様々な提案は売主にも買主にも好評。
   
Vol.02
 

自分にあった住宅・3段階の立地選び

 私がお伝えしたい立地選びは重層的です。3つの段階を経てあなたにふさわしい立地を選びます。また、各段階ではマスト条件で選別した後、ベター条件でふるいにかけるという2重の手順を踏みます。
 これらの段階と手順を経ると、自分に合った住宅が自ずと絞り込まれているという仕掛けです。

■通勤ラインを選ぶ<生活満足度を決める基本要素>
  第一段階は、自分にふさわしい通勤ラインを導き出します。手順としてはマスト条件である自分が望む通勤時間で候補となる通勤ラインを選び出し、その上でベター条件である自分の働くスタイル、たとえば残業が多い、転勤が多いといった特徴により、ふさわしい通勤ラインをふるいにかけるのです。
 ここでなぜ通勤ラインを最初の段階とするかという理由についてご説明します。サラリーマン、自営業にかかわらず、たいていの人は、ほぼ毎日、職場と自宅を往復する振り子運動をして暮らすのが人生といっても過言ではありません。住宅を取得後、30年超を同じ振り子運動で過ごすことを想像してみましょう。自分の人生にとっていかに振り子運動の有り様が影響力大か分かっていただけると思います。
 ところが、これまで接してきた住宅取得意向者は、現在自分が住んでいるところを中心に2.3駅の範囲で探し、他はあまり検討しないという人が多いのです。中にはスーパーへの買い物帰りにモデルルームを見て衝動買いをしてしまったという友人もいます。もちろん住めば都ですからそれでも良いのですが、ある時期に、もっと良い通勤ラインを選べばよかったと後悔するような場面は避けたいものです。何せ30年超続ける振り子運動ですから。
 首都圏に通勤する人の場合、勤務先を起点に対象となる通勤ラインは1回の乗り換えを含めると最低3から4本はあるはずです。最初から決めてかかるのはいかがなものかと思うのです。
 私自身、片道30分から1.5時間まで何種類もの通勤ラインを経験しました。単に所要時間40分だけで選んでしまった通勤ラインは、ラッシュ時の過酷さと意外に少ない深夜時間帯の本数で不便さを感じ、2年で引っ越すことになりました。1.5時間という振り子運動の時期もありましたが、情報出版という職業柄、こちらのほうは数ヶ月で断念せざるを得ず、今考えても時間とコストの無駄!といった苦い経験があります。
 このように通勤は毎日のことですから、生活満足度を決める基本要素となってしまいます。時間と自分の働くスタイルでどの通勤ラインに絞り込むかは自分に合う住宅にめぐり合うための重要な第一歩となるのです。

■街を選ぶ<好きか嫌いかで絞り込む>
 次に、第二段階として、通勤ライン上に自分にふさわしい街・最寄り駅を見つけ出します。見つけ出す方法としてはまずマスト条件である自分のライフステージに合う街を選び、更にベター条件である自分のライフスタイルに合う街を通勤ライン上の数ある街の中からふるいにかけます。
 ライフステージというのは、社会人なりたて、結婚、出産、育児・子育て、子供が独立、夫、妻の定年といった人生の節目を言います。この節目ごとに私生活の中味はガラッと変化してしまいます。
 社会人として親元を独立した後、結婚して一人から二人の生活へ。仕事中心で食事、洗濯、掃除は週1回するかどうかの一人暮らしは、毎日、家事をきちんとこなす主婦のいる家庭生活へと変貌します。とりあえず近くにコンビニがあれば満足という暮らしから、スーパー、病院、銀行等々、生活に必要な施設がきちんと整い、かつ休日にのんびり二人でランチを楽しめる小奇麗なカフェのある街が良いと、街に求める要素が異なってきます。子供の育児・子育て期なら、小奇麗なカフェよりも子供が伸び伸び遊べる公園や、安心して通える学校があることが、街を選ぶ必要条件になってきます。
 このようにライフステージの違いは、街に求める基本要素が異なるために、マスト条件としたわけです。社会人から結婚・出産までで10年、育児・子育てで10年、子供の独立から定年までが10年というのが目安です。子供の出産を機に住宅を取得する人が多いのですが、10年は育児・子育てに相応しい街に暮らすことを念頭においたうえで、街を選ぶ必要があるのです。
 次にベター条件であるライフスタイルで絞り込むわけですが、ライフスタイルとは文字通りその人なりの暮らし方です。ピアノが趣味で週に一度は教室に通い自宅でも練習するとか、犬が大好きで毎日散歩させるのが日課とか、子供サッカーチームのコーチとして毎週末はグランド通いとか、夜な夜なパソコンでインターネットとかとか。
 こうした暮らしのスタイルに合う街かどうかは住んで楽しい、楽しくないにつながることですからよくよく街の施設や特色を調べ、好きか嫌いかで絞り込みましょう。

■ご近所を選ぶ<一段と深い見方>
 ここまでの段階であなたにふさわしい住宅にめぐり合える範囲が8割がた見えてきます。そこで最終段階として、自分にふさわしいご近所を、これまでに絞り込んだ街の中のどこかに見つけるのです。見つけるためのマスト条件はご近所の形式です。
 ご近所の形式で誰もが知っている典型的なタイプを3つあげてみましょう。
時代の古い順に並べてみます。まず一つ目は街中タイプ。谷中・根津・千駄木(略して谷根千)は典型的な街中タイプで、江戸時代に宿場町や寺町、商人町として栄えたところで、古い商店街や老舗に加えて新しい商業施設も混在し、賑やかで便利、下町情緒も残っています。二つめは成城・田園調布タイプで昭和になって新しい思想のもとに創られた新興住宅地。たいていは最高3階建てまでしか建物は建てられず、敷地もゆったりとしており、緑も豊富で閑静な住宅地。周辺には病院以外は大規模な店舗も、いかがわしい遊戯施設もなくいたって上品。ちょっと取り澄ました感じのするご近所ではあります。三つ目は今話題の芝浦アイランドのように元大規模な工場の跡地とか、埋立地や農地とか、住宅など何もなかったところに突如出現した未来志向の一大ニュータウンがこのタイプ。
 こうしたご近所のタイプは個々の住宅の形態や日当たり、眺望や騒音までも決めてしま
うことになります。
 ご近所のタイプを選んだら最後にベター条件、ご近所の雰囲気のチェックです。
 私が手がける住宅のプロデュースは、計画地周辺に住む人たちのライフスタイルや雰囲気を徹底的に調査し、ターゲット像を創っていきます。そのターゲット像がどんな住宅ニーズを持つのかを分析した上で住宅のコンセプトやプランを決めていくのです。どんな 住宅を建てるかはその周辺に住む人をベースにして考えるというわけです。
 ご近所の雰囲気はそこに住んでいる人々の雰囲気を直に見て感じるのが一番です。
 高級感にあふれたセレブな雰囲気を持ちインテリアはカッシーナ系といった人が多く住んでいるのか、ナチュラル・シンプル志向でMUJI愛好者の雰囲気を持つ人が多く住んでいるのか、庶民的で気取らず家具はホームセンターで調達するといった雰囲気の人が多く住んでいるのか。ご近所に住む人々の雰囲気は、実はご近所で販売されるマンションや一戸建てのコンセプト、外観、間取り商品企画に大きく反映しているのです。一度そうした目でモデルルームを見てみましょう。一段と深い見方ができるはずです。
 あなたが現在持っている雰囲気に近いご近所を選べば気楽に暮らせる住宅にめぐり合うでしょうし、憧れる雰囲気のご近所を選べばおしゃれだけどちょっと背伸びした住宅にめぐり合うことになりそうです。

 通勤ライン、街、ご近所の順に3段階の立地選びであなたに合う住宅にめぐり合う方法をご紹介しました。多少のイメージはお持ちになれたでしょうか。
次回は第一段階 通勤ラインの選び方の詳細をご説明します。



 
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※このデータは2006年05月10日現在のものです。 [本コンテンツの内容について] [住友不動産販売TOPへ]

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