シングルに向くマンション
これまで、8回にわたって自分にふさわしい住宅に巡り合うためには、3段階の方法で立地を絞り込むこと、と説明してきました。今回からはより具体的にライフステージ別に適したマンションの探し方についてご説明します。まずは、シングルに向くマンションから。
■1、通勤路線は勤務先から30分を目安に
第一段階の立地の絞込みは、シングルに適した通勤路線の選び方です。
まず、先入観を除外して、勤務先を起点として利用できるJR、私鉄、地下鉄の各路線をピックアップしてみてください。新橋が勤務先の人であれば1回乗り換えを可とすれば、なんと33線が対象路線ということになります。
先入観で対象路線をピックアップすると、範囲が狭まってしまい、自分に相応しいマンションに出会う機会が最初の段階で狭まってしまうので、ここは、是非機械的な作業に徹してください。
次にそれらの路線の中から対象となる駅を選別します。目安はドア・ツウ・ドア30分として、乗車時間は20分。勤務先の最寄り駅から20分でいける駅の範囲が、快適通勤圏となります。ただし、快適通勤圏内には自分の予算オーバーの駅も含まれているので、住宅検索サイトで提供している住宅価格相場を見て、購入予算÷希望の広さ(×3.3)=㎡単価(坪単価)を計算します。この単価を超える駅は対象外とします。
この作業で残った各駅のどこかに、あなたに相応しいマンションがある、ということになります。
もうひとつ、快適通勤のために面倒でもチェックしておきたいのが、通勤ピーク時の混雑率、深夜・早朝の本数、最終電車の時刻などです。残業が多くて仕事中心の生活というシングルの人は要注意です。また、転勤の可能性も高い、といった方は、万一の際人に貸したり、売却しやすい路線・駅を中心にマンションを探すほうが無難です。
そのような路線・駅とは、あなたのようなシングルが多く利用する路線・駅ということです。
おおよそ、対象となる路線・駅の範囲が確定できたら、次の段階に進みます。
■2、街を選ぶなら都心型タイプを
選別した路線・駅は、結構広範囲に散らばっているはずです。そこで、徒歩20分から30分、1学区、道路MAP見開き2Pの範囲までに対象となる地域=街を絞り込みます。
街のタイプは都心型、中間型、郊外型、トカイナカ型(都会と田舎の中間)と4タイプあり、シングルに向くのは都心型です。特に女性のシングルは都心型に集中する傾向があります。一方、男性シングルは都心型と中間型に別れます。将来、結婚することを想定して中間型の街を予め選んでおくというわけです。
東京圏で代表的な都心型タイプの街は都心3区(千代田・中央・港区)、都心山の手エリア(文京・新宿・渋谷区)、城南エリア(目黒・品川・大田区)、神奈川県の横浜中心エリア(西・中・神奈川・南区)に多く存在します。
中間型タイプの街は城東エリア(葛飾・墨田・江戸川・江東区)、城西エリア(杉並・世田谷区)、神奈川県であれば川崎エリア(川崎・幸・中原・鶴見区)、田園都市・東横沿線エリア(高津・宮前・青葉・都筑・港北区)に多く存在します。
第一段階で選んだ対象路線・駅の範囲で都心型、中間型の街を選ぶわけです。
選んだ街の中には自分のライフスタイルに合う街、合わない街が存在します。ブランド志向が強く、高級で高機能なものを好む女性シングルには、都心3区や都心山の手エリアにある都心型タイプの街が適しています。自分の部屋で趣味に打ち込みたい男性シングルであれば、城西、城東エリアにある中間型タイプの街が適しているといえます。
以上のようなプロセスで自分に適した街の候補が確定したら、タウンウォッチングにでかけましょう。街は住生活の広がりや質をある程度決めてしまうことになるので、地図を片手にあちこち歩き回って、自分の肌に合うかどうかを確かめるくらいのことが必要だと思います。
■3、更に街の中で、下町・商店街タイプのご近所を特定する
ご近所とは最終的に住みたい地点を中心に徒歩5分圏内の地域をいいます。住みたい地点を絞り込むにはシングルに向くご近所のタイプを知っておくことです。ご近所は、下町・商店街タイプ、未来志向型再開発タイプ、街中タイプ、元お屋敷町タイプ、英国式田園都市タイプ、大規模新開発タイプの6タイプに分かれます。
この中で、シングルに向くのは、下町・商店街タイプ、未来志向型大規模再開発タイプ、街中タイプの3つです。逆に向かないのは、英国式田園都市タイプ、大規模新規開発タイプです。
向くタイプに共通するのは、深夜まで開いている商店、レストラン等が多く、仕事中心の多忙なシングルの日々の生活に便利なご近所であることです。反面、閑静で、落ち着いた、緑の多い住環境はあきらめることになります。
向かない2タイプは、いずれも郊外型の街に多く存在しており、子育てファミリーをメインターゲットにして開発されるマンションが多く、シングルの日常生活のリズムには合いにくい面が多いようです。
また、どのご近所を選ぶかで、騒音、空気、臭い、日照など、住環境の基本となる要素も異なってきます。シングルに向く便利で高機能なご近所は反面、交通量も多く、建物も密集している商業地域・近隣商業地域や準工業地域にあることが多いため、住環境の基本要素は幾分譲って考えることが必要かもしれません。

■4、リラックスできる間取りのマンションを
さて、ご近所にたどりついたら、いよいよ具体的なマンション選びということになります。シングルのマンション選びで押さえておきたいコンセプトの1つに、「リラクゼーション」があります。仕事に多忙なシングルが住まいに求めるものは、「今日の疲れを癒し、明日への鋭気を養う」ことではないでしょうか。自分だけの空間でリラックスしたり、趣味を楽しんだりすることで、ストレス解消ができる。そんな暮らしが実現できる間取りや設備を選びたいものです。
「リラクゼーション」を前提にマンションを選ぶとしたら、ポイントは4つです。
1つ目は、間取りです。シングルの多くは1LDKか2LDKを希望し、LDKを重視しがちですが、私は主寝室とクロゼット・浴室・トイレ・洗面室が一続きになっている間取りをお勧めします。平日に疲れて帰ってきて、すぐにクロゼットに直行し、服を脱ぎ、裸のままで、洗面室に行き顔を洗う、もしくはお風呂に入る。その後も裸のままクロゼットでパジャマに着替え寝室でリラックスする、といった暮らしが可能です。不眠を訴える人が多いなか、質の高い睡眠を確保することのできる間取り選びは大事だと思うのです。また、
多くのシングルは、休日の暮らしや友人を招くことをイメージしてLDKを中心に間取りを選びがちですが、実は平日の生活を中心に選んだ方が満足度は高いと思います。1年の3/4は平日ですから。
2つ目は水回りの設備・仕様です。洗面室・浴室・トイレはなるべく、おしゃれで高機能なものを選びましょう。浴室にミストサウナ・乾燥機がついていれば快適で便利です。
洗面室の収納はリラクゼーション上以外に大事なので、十分なスペースがあるかどうかは要チェックです。
3つ目は安全性です。一人暮らしは何かと不安が多いものです。24時間友人管理セキュリティ対応は安心感があります。施錠方式も要チェックです。
4つ目はサービスです。留守がちの暮らしをサポートしてくれるクリーニング・宅配受け取り等の生活サービスはあると便利です。
最後に、仕事中心で多忙な生活をおくるシングルに向く、マンションの条件を以下に5つまとめておきます。
1、快適通勤をめざすなら、通勤時間は30分以内
2、仕事や趣味など自己実現の欲求を満足させるには、都心型の街
3、便利な暮らしには、下町・商店街がご近所にあるところ
4.自宅でリラックスしたいなら、寝室+水回り(浴室・洗面室・トイレ)の動線がスムーズな間取り
5.留守をしているときに、便利なサービスのあるマンション
これらの条件を満たすマンションに巡り合うことができれば、あなたの生活満足度は80点を下回ることはないでしょう。
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