第4回不動産WEB講座「住宅購入と保険の見直し」
ファイナンシャルプランナーが独自の視点で、不動産にまつわる様々なテーマをわかりやすく解説する「不動産WEB講座」。連載第4回は、住宅購入を検討(住宅ローンを利用)される方には特に見直していただきたい、保険について特集します。ご家庭で不要な固定費ございませんか?【毎月更新】
■住宅ローンは保険を見直すきっかけ
家計を見直すというと、真っ先に削られるのは飲食代やお小遣い。ただし、こういった変動費の節約は、意識をしすぎるとかえって日常生活の息苦しさに変わってきてしまいます。変動費よりも先に見直していただきたいのは、主に保険。日頃「支払うのが当然」と思いこみがちな固定費について今一度考えてみると、もっと楽しみの多い人生設計が実現できるかも知れません。

住宅ローンを利用すると、多くの民間金融機関では団体信用生命保険(略称:団信)への加入が契約条件となります。団信は、住宅ローンの返済途中で債務者が死亡・高度障害になった場合、本人に代わり生命保険会社が住宅ローンの残債を支払うというシステムです。したがって、すでに生命保険に加入していれば保障(保険料)が重複する可能性がでてきます。住宅ローンの契約と保険の見直しはワンセットと捉えて良いでしょう。
[図1]

もともと加入していた生命保険と

団体信用生命保険(団信)の重複


■保険見直しの例[会社員Aさんのシナリオ]
具体例から見直し方を考えてみましょう。以下のシナリオは、実際に発売されている保険を参考にしたものですが、記載の各保険料はあくまで目安としてお考えください(正確な保険料ではありません)。


会社員Aさん(35歳)のBefore ~住宅購入前~

35歳の会社員Aさんが、住宅購入の前にかけていた死亡保険金は【4,000万円】。内訳は、定期保険(期間を区切って掛け捨てとなる保険)が3,800万円、終身保険が200万円です。さらに特約で入院給付金が10,000円付いており、月額25,000円の保険料を支払っていました。

ただし、Aさんが選択していた定期保険は10年ごとに更新がかかるタイプ。現在の月額保険料は25,000円ですが、45歳時には月額42,000円に、同様に55歳時には月額64,000円に更新されます(実際、更新時の保険料負担に耐えかねて慌てて減額を検討する家庭が多いようです)。

Aさんがこのままの契約で65歳まで支払い続けると、保険料の払込総額は【1,572万円】。この総額ももちろんフィクションですが、概ねの目安としては参考にしていただける額でしょう。たとえば1,500万円と聞いて住宅のことを考えれば、「今よりもう2部屋大きい住宅に住める」「20年後に立派なリフォームができる」といったビジョンをもつ方もいらっしゃるのではないでしょうか。

会社員Aさん(35歳)のAfter ~死亡保険金の減額~

Aさんは、住宅の購入(住宅ローンの契約)を機会に保険を見直します。
新たに加入することになった団体信用生命保険による保障分を考慮し、従来の死亡保険金4,000万円を定期保険のみの【2,000万円】に減額しました。入院時日額10,000円給付金も別保険で付け加え、月額の保険料は14,000円に。

そして、ここがポイントです。今回選び直した定期保険は、60歳満了で保険料が更新されないタイプ。60歳以降の保障は医療保険のみとし、月額14,000円の内訳は固定された定期保険料8,000円、終身払いの医療保険料6,000円です。

この結果、Aさんが60歳になるまでの保険料払込総額は【420万円】。

1,500万円以上あった支払い負担が、3分の1程度まで軽減したことになります(そのかわり、加入していた終身保険200万円はなくなりました)。見直したのはまだ生命保険だけ。この機会に他の保険も見直せば、Aさんの家計はさらに改善できるのかも知れません。…と、具体例はここまでにしておきましょう。


保険の最たるメリットは、何時起こるかわからない不安に対する安心料です。つまり金銭的な損得とは別にある心の問題とも大いに関係しているので、上記のシナリオのように現状の保険金を減額すること自体が正しいかというと、それは極論になるかも知れません。ただし実際、現状の保険を見直す機会ができると「こんな保障が付いていたの!?」と驚かれる家庭が非常に多いことも事実です。目的を明確にした上で、必要な保険・保障額を選ぶことが大切ですね。

[図2]

保険見直しの具体例

[図3]
実際に発売されている保険を参考にしたものですが、記載の各保険料は
特定の保険会社の例ではありません(正確な保険料ではありません)
■「払える保険」ではなく「必要な保険」を
保険・保障額を検討する際、「どのくらいなら払えるか?」という判断は厳禁です。中には、相談した保険会社からこのことに近い問われ方をされることもあるかも知れませんが、あくまで「我が家の将来にとって必要か?」が適切な判断基準といえます。

各保険の必要性は、家庭によって異なることも念頭に置きましょう。他人の保険は参考にこそなりますが、一致することはそうありません。
たとえば生命保険の場合、生活費などを捻出する主たる収入者が亡くなった際、遺族の生活費を保障するということが一般的な目的です。したがって、遺族の生活がどの程度の資金で成り立つかを見越すことが課題となりますが、ひとりひとり人生が異なるのですから必要な生活資金もそれぞれです。

生命保険と並びニーズの高い医療保険にしても、火災保険※において任意となる家財保障しても、保障の有無・範囲についてはやはり「我が家の将来にとって必要か?」がすべてといえるでしょう。
※火災保険(建物)は、住宅ローンを利用する場合に加入必須となります。

保険は契約上わかりにくいことが多いといわれますが、利用する目的ははっきりしています。まずは、家族の人生設計を見据えること。そして理解できない段階での契約は避け、理解できるまで保険会社・専門家等に保障の詳細を確認することをこころがけてください。
[図4]

保険見直しのポイント

★住宅購入は、保険見直しのチャンス
★保険の見直しは、「住宅ローン返済を楽できる可能性」でもある
★理解できない契約はしない、理解できるまで訊く
★目的を明確にして、必要以上の保険には入らない
★無駄な保険とは、不必要な保障(補償)の結果

団信を上手に利用することで、
夢が広がるかも!

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※このデータは2010年07月現在のものです。 [本コンテンツの内容について] [住友不動産販売TOPへ]

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