第13回不動産WEB講座「住宅ローンで数百万円トクする方法」
専門家が不動産にまつわる様々なテーマをわかりやすく解説する「不動産WEB講座」。連載第13回は、「住宅ローンで数百万円トクする方法」を特集します。ローン総額を圧縮する決め手となる、繰り上げ返済について効果的な方法や留意点をご紹介します。【毎月更新】
金利にシビアになりましょう
 生涯支出のなかで、大きな割合を占める住宅関連費用。これらをいかにして節減するかは、老後資金を確保するうえでも重要です。そこで今回は支出節減策という観点から、住宅ローンの金利と、その返済計画に注目してみましょう。
 「表1」はおなじ3,000万円のローンを組んでも金利の違いにより月々の返済額、返済総額にどれぐらいの違いが出るか比較したものです。金利1%なら月の支払額は\84,686、それが5%なら\151,406と、約2倍弱も違うのですね。金利ごとの支払額住宅の販売総額だけではなく、ローン金利がいかに大切かおわかりいただけると思います。
 また、いま金利1%の歴史上最低金利ですが、固定金利で借りるか、変動金利で借りるかの選択も大切です。世界的に見て日本の住宅ローン金利は比較的低い方ですが、過去日本の住宅ローン平均値は4%を超えています。変動金利で借りるということは、リスクも取るということを念頭に入れておいてください。いま、変動で1%で借りたとしても20年後には5%になるかも知れない。 当初月々安い金利を払って積極的に繰り上げ返済という方策をとっていくのか、金利変動は怖いから金利の上限だけは判っておきたいという方は固定金利を選択するということになります。最近は固定と変動を併用することも出来ます。それはみなさまの考え方により選択していただきたいと思います。

繰り上げ返済で利息負担を減らす
 繰り上げ返済とは、残高の一部(または全部)を前だおしで支払うこと。正確には、期間短縮型(※1)の繰り上げ返済といいます。メリットは、返済総額の節減です。繰り上げた返済額はすべて元金部分に充当されるので、利息部分は繰り上げるごとに削られます。
 「表2」をご覧ください。こちらは、住宅ローンの返済額内訳をあらわした例です。元金部分と利息部分を比べると、返済期間前半では利息部分が大半を占めています。返済初月にいたっては約2/3が利息部分です。
 だれしも効果があることは判っている繰り上げ返済ですが、返済を実行するタイミングによって効果が全然変わってきます。 たとえば、50万円の資金をつくって、ローン開始5年後に繰り上げ返済を実行した場合と(表3)、25年後にした場合(表4)とでは、ごらんのように\531,981もの差がでてきます。この額が軽減利息分であり、ローン支払総額減少分でもあります。したがって、なるべく早い時期に実行するほどムダな利息を支払わずに済む、これが住宅ローンという金利複利計算の仕組みです。繰り上げ返済を早くからこまめに行っていくことができれば、金利負担を数百万円軽減させることも十分に可能です。FPとしましては、これを「住宅ローンで数百万円トクする方法」としておすすめしています。
 では、住宅ローンを支払いつつも、繰り上げ返済するための貯金をすることが、果たして可能なのでしょうか?次項で見ていきたいと思います。

※1 繰り上げ返済の詳細については専門家にご相談ください。

支払構造チャート
25年後繰り上げ返済5年後繰り上げ返済
※3,000万円を金利3%,35年元利均等払い。35年間金利が一定の場合
繰り上げ返済には現金が必要です
家計の分類 当然のことですが、繰り上げ返済を実行するためには現金の用意が必要です。このときのポイントは、いまの暮らしに無理のない計画でおこなうことです。 私は、まず支出を減らすこと、とくに光熱費、通信費、保険料などの固定費を見直すことをおすすめしています。一般に口座引き落としされるとコスト感覚が麻痺するものです。無自覚のうちに引き落とされる固定費を削減すると無理なく家計の見直しをおこなうことができます。
 収入を増やせるに越したことはありませんが、確実な方法は現状の支出を減らすことでしょう。たとえば、加入保険の見直し。住宅ローンを組むと、大概は団体信用生命保険(※2)に加入します。そのため、すでに加入している保障内容と重複する点がみつかるかも知れません。また、そのほかの加入保険を見直す良い機会にもなるでしょう。こういった固定費のムダを省くところからはじめて、住宅ローンを効率よく完済していただけたらと思います。

※2 団体信用生命保険 … 住宅ローン返済中に契約者が死亡・高度障害となった場合、生命保険会社がローン残額を支払う。
今回の講師:ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引主任者 正井 巨一
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