第14回不動産WEB講座「やってみよう!中古マンションの探し方」
専門家が不動産にまつわる様々なテーマをわかりやすく解説する「不動産WEB講座」。連載第14回は、「やってみよう!!中古マンションの探し方」実際の売り出し事例を参考に、広告を見るときのポイントや適正価格の簡単割り出し法を業界出身のファイナンシャルプランナーが実践を交えながらご紹介します。【毎月更新】
不動産価格はどのようにして決まるのでしょう
不動産鑑定評価の方式

 不動産の価格は基本的に、原価法、取引事例比較法、収益還元法などの手法によって鑑定評価がされています(表1)。このなかで住むための不動産であれば、取引事例比較法が比較的参考になると思います。中古マンションの場合決め手となるのは、需要と供給のバランスです。
 不動産で特徴的なのは「ふたつとして同じものがない」こと。たとえば同じマンションでも3階の部屋と、4階の部屋では景色がちがう。南向きなのか、西向きなのか、あるいはフローリングの色の違いだって気になります。別のマンションならなおさらで、同じ駅から徒歩5分でも個別のマンションごとに異なります。そのなかで住みたいと思うひとが多ければ(需要が多ければ)価格は下がりにくいということです。需要と供給のバランスによって価格は決まります。

中古マンションと新築マンションの価格差
マンション価格動向
仲介業者のメリット

 ちょっと古い資料ですが(表2)をご覧ください。60m²の広さに換算したマンション価格ですが、どの年でも新築と中古では約1,000万円の差があります。もちろんリフォームが必要な場合もありますが、きれいにクリーニングしたとしても10万円ぐらい。フルリフォームをしたとすれば200~300万円ぐらい、ファミリータイプで90m²フルリフォームで500万円ぐらいでしょうか。したがって、もしリフォームをしたとしても上記価格差のなかにおさまります。
 また販売にかかる諸費用は、新築の場合5%ぐらい、いっぽう中古マンションですと8%程度。仲介手数料3%+6万円が必要になるため5%に3%を加えることになります。
 しかし仲介手数料を払うメリットは充分にあります。新築マンションを選ぶ場合、新築営業マンは担当物件の長所のみをアピールすることになります、ですから他物件との比較はすべて自分だけの判断でしなくてはなりません。いっぽう仲介の担当者の場合はこちらのニーズに合わせて提案、比較、アドバイスをしてくれるコーディネーターです(表3)。ですから仲介会社は、とくに厳選して信頼のできる会社を選ばなくてはいけません。エリア、予算、家族構成等を伝えれば、地域のプロがニーズに合わせて物件を提案したり動いたりしてくれるのは心強いものです。ひとつのモデルルームに行くだけではなかなか判らないところが、仲介の営業はいわばエリアのプロですから、効率よくいろいろな情報を提供してくれます。
 中古マンションを探す上でもうひとつ気をつけるのは、ランニングコスト(ずっと続いてゆくお金)です。代表的なものとしては管理費、修繕維持積立金があげられます。年月を経ても、管理費は管理の内容や経済情勢の変化がないかぎりだいたい変わりません。金額が高くなる可能性があるのは修繕維持積立金。将来的に建物は劣化してゆくので、それに対応して修繕維持積立金も上昇してゆく可能性があります。

坪単価を計算してみましょう

「不動産の価格はわかりにくい…」と思っていらっしゃいませんか?実はマンションの価格を簡単に分析する方法があるのです。
 ではここで、新築マンション価格の妥当性を確かめてみましょう。(表4)をご覧ください。とあるエリア、同じマンションの違う部屋です。さてどちらがお気に入り?A物件は価格か?いっぽうB物件は広さか?向きか?ひとそれぞれでどちらがいいかはご本人次第ですね。

A物件とB物件

ここで異なる物件を比べる場合、マンションの価格を簡単に分析する方法が「坪単価」を割り出すことです。「坪単価」とは文字どおり「一坪あたりいくらか」という単価です。坪単価は以下の計算式でもとめられます。

坪単価=価格÷広さ(m²)÷0.3025

価格だけで見るとA物件の部屋の坪単価は約208.6万円 B物件のお部屋は約222.0万円 さてどちらが割安でしょうか?

222.0万円÷208.6万円=1.064

 単純に坪単価だけを比較するとB物件の方が6.4%高いですね。ですが方角という要素を加味するとどうでしょうか?わたしの知る会社の値付け査定基準では南向きと東向きでは10%ぐらい差をつけています。それからすると6%高いだけということはB物件の方がむしろ割安なのかもしれませんね。わかりにくい不動産価格も、こういうふうに自分がわかりやすいところまで落とし込んでゆくと理解しやすいです。

中古マンションの場合は

 ちょっとむずかしくなるのが中古マンションです。下の間取り図(表5)をご覧ください。同じ駅で、どちらも徒歩10分圏以内。しかしC物件は2003年築の築8年の1LDK、38.22m²、2,980万。D物件は3LDK、86.16m²、4,780万円。1984年築ということは築27年。まったくちがうタイプの物件なので、あまり比較する方はいないとは思いますが、ケーススタディとして取り上げてみたいと思います。

C物件とD物件

 C物件は坪単価257.7万円、D物件は183.3万円。でもこれだけでは、どちらがお得なのか全く判りません。なぜなら築年数が全く違うからです。ここで、とある私の存じあげている不動産会社さんの査定基準をあてはめて考えてみたいと思います。その不動産会社では、おおよそ築8年で新築時の9割の価格。築27年で新築時の6割の価格になると考えます(※)
その基準をあてはめると…

C物件 新築時想定坪単価= 2980÷38.22m²÷0.3025÷0.9 ≒286.3(万円)

D物件 新築時想定坪単価= 4780÷86.16m²÷0.3025÷0.6 ≒305.7(万円)

 さてこの計算の結果、C物件の新築時の坪単価は想定286.3万円、D物件の新築時坪単価は想定305.7万円…ここでの計算のかぎりでは、新築時坪単価はどうやらD物件の方が高かったようですね。広さなどが違うにしろ、C物件の方がお買い得なのかなと思う前に、次は間取りを見てください。Cは西向きDは南向きで向きが違います。そこで

305.7万円÷286.3万円=1.067

と計算しますと1.067で6.7%だけD物件が高いことが判ります。
 もし南向きと西向きの価格差が10%程度が一般的なのだとしたら、さきほどのA物件、B物件の差と同様、D物件のほうがおトクなのかもしれませんね。
 間取り、広さ、築年数など好みはいろいろでしょうが、こうして検証していくと、値付けというのは結構合理的だということが判ります。折り込みチラシなどで中古マンションを見て、価格が妥当なのか自分で計算してみるのも楽しいかと思います。もし計算と異なる数字が出たら、信頼できる仲介の担当者に訊ねてみると「あそこはこういう理由で高い(もしくは安い)のですよ」という答えがすぐに返ってくると思います。それだけ見る目があなたに備わったわけです。

(※)中古マンションの築年に伴う価格の下落率については不動産会社によっても査定基準が異なりますし、エリア、マンションのグレード、また市況によっても異なります。いずれにせよ、築年に伴う価格の下落率についてもきちんと根拠があるということを覚えておくとよいでしょう。

 本当に自分にあったマンションを探すのなら「点」でさがすより、そのエリアを「面」でさがせる中古物件のほうが良い巡り会いが期待できます。信頼のできる営業マンと良いパートナーシップを組んで、豊富な情報の中から最良のひとつを見つけ出してください。

今回の講師:ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引主任者 柴田 悠道
担当講師によるセミナー開催中
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※このデータは2011年10月現在のものです。 [本コンテンツの内容について] [住友不動産販売TOPへ]

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